著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

冠疾患集中治療室 関西では高槻市から寝屋川市が空白地帯

公開日: 更新日:

 重症心臓病患者の救命を担うCCU(冠疾患集中治療室)。関西圏(大阪府・京都府・兵庫県)では291床が稼働しています(大阪169床、兵庫77床、京都45床)。〈表〉はCCUが多い・少ない2次医療圏をまとめたものです。2次医療圏とは、その中で住民の医療が完結することを前提とした、行政上の区割りのことです。

 大阪府では、大阪市医療圏(大阪市全域)が88床で断然の1位。ただし、このエリアは人口270万人を有する全国最大の2次医療圏です。年間の急性心筋梗塞患者は、単純に計算しても約1万4000人。しかも昼間の人口は約4割も増えるので、患者はもっと多いはず。大阪市内で心筋梗塞の発作に襲われても、CCUに収容される確率は、かなり低そうです。

 それでも、大阪府東北部の自治体よりはマシです。高槻市から寝屋川市に至るエリアはCCUの空白地帯です。市内に近いとはいえ、昼間は道路が混みあっています。むしろ近所の病院の、普通のICU(集中治療室)に入るほうが、助かる率が高いでしょう。

 最大のCCU数を誇る東京都でも、状況は似たようなもの。そのため71病院(443床)が参加する「東京都CCUネットワーク」が組織されており、東京消防庁などと連携して、空いているCCUの融通や患者の迅速な搬送を実現しています。この活動は全国に広がりを見せており、大阪府でも同様の取り組みが行われています。しかしまだ部分的で、府全体をカバーするネットワークは組まれていないようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か