発症11年 囲碁棋士・木部夏生さん「糖尿病と対局」語る

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 対局は、朝10時~夕方4時が普通です。上のクラスになればなるほど長丁場になるんですが、それでも対局の日は一日20回ぐらい血糖値を測ってしまいますね。30分おきぐらいに測って130~150を目標に調整するのですが、勝負どころでは260ぐらいになっています。こればかりは仕方ないんですよね。

 今の私があるのは病気のおかげかもしれません。負けず嫌いの性格で「病気だからできない」と言われるのが嫌だったので(笑い)。また、プロになってからは、10万人に数人しか発病しないこの珍しい病気を、もっとたくさんの人に知ってほしいとの気持ちが、「強くなりたい」というモチベーションにもなっています。

「生きていることは当たり前じゃない。すごいことなんだ」と教えてくれたのも病気です。病気があったからこそ、健康な人以上に「幸せ」を感じられるのかもしれません。

▽きべ・なつき 1995年、群馬県生まれ。漫画「ヒカルの碁」の影響で囲碁教室に通い始め、小学4年で院生(プロ棋士養成所の研修生)になる。同時にⅠ型糖尿病を発症するも翌年には上京し、藤沢一就八段に入門。2012年に16歳でプロ棋士となる。2016年に二段昇格。2年前から日本糖尿病協会のインスリンメンターとして講演活動なども行っている。

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