著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「ノセボ効果」を知っていますか?

公開日: 更新日:

「プラセボ効果」という言葉があります。効く薬だと信じて飲むと、実際には何の効果もない物質でも薬としての効果を示す、という現象のことです。薬の効果を調べる臨床試験では、患者さんに分からないように本物の薬と、効果のない偽物の薬を使用するのですが、本物の薬ほどではなくても効くはずがない偽物の薬が明らかに効果を示すことが多いのです。これがプラセボ効果です。

 一方で、「この薬には“悪い作用がある”“副作用が出やすい”」といった先入観があると、その薬が直接影響を与えたわけではないのに、副作用のような症状が出ることがあります。これが「ノセボ効果」(ノーシーボ効果)です。最近、「ランセット」という医学誌に、コレステロールを下げる薬の臨床試験でノセボ効果を調べた論文が掲載されました。この臨床試験では、同じ人で本物の薬か偽物の薬か分からずに服用する期間と、本物の薬と知っていて服用する期間とがあり、筋肉が痛くなるという副作用は「薬を本物と知って飲む」方が「知らないで飲む」よりも40%以上多くなっていたのです。その結果、本当にその薬を必要な人が、ノセボ効果のために薬をやめるという事態が発生していました。

 薬の副作用の情報は大切なものですが、人間は先入観に左右されるので、「説明をすればするほど良い」ということも言えないようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ