医師の「様子見」が落とし穴 脂肪肝を甘く見てはいけない

公開日: 更新日:

脂肪肝です。様子を見ましょう」と健診で言われたことはないだろうか? うのみにして大したことはないとタカをくくっていると、必ず泣きを見る。

 毎年健診を受けていたのになぜ――。

 横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室主任教授の中島淳医師は、「肝硬変」と伝えた途端、愕然とした表情でそう口にする患者を何人も見てきたという。脂肪肝であることは知っていた。しかし、治療が必要だとは思ってもいなかった。なぜ、肝硬変に至るまで“放置”されたのか、と。

 脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が蓄積された状態だ。飲酒が関係する「アルコール性肝炎」と、飲酒が関係しない「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD=ナッフルディー)」がある。どちらも治療をしなければ肝細胞は破壊と修復を繰り返して硬く小さくなり(線維化)、肝硬変に至る。そして、肝臓がんを発症する。

「NAFLDの中でも炎症を伴う『非アルコール性脂肪肝炎(NASH)』は、肝がんへの進行スピードが速い。吐血など突然の異変で救急搬送されてきた患者さんを診ると、すでに肝硬変、肝がんを発症していたというケースも珍しくない」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも