著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

死亡数の地域差 長野県と青森県の明暗を分ける生活習慣

公開日: 更新日:

■長野の医療体制は?

 がんの種類別では、胃がんは東北や日本海側、紀伊半島で発症・死亡率が高い。塩分摂取量が多いエリアと一致します。胃がんの原因は95%がピロリ菌感染ですが、高塩分はピロリ菌による胃炎を悪化させ、胃がんリスクを高めるのです。

 乳がんの発症は、東京が断トツ。欧米型の食習慣や全国最下位の出生率が関係していると思われます。妊娠と授乳中はホルモン分泌が変わって生理が止まり、乳がんのリスクが低下するからで、少子化は乳がんを増やす大きな要因です。

 肝がんは近畿以西と山梨で多く見られます。肝がんはウイルスの除菌治療で食い止めることができますが、このエリアは感染率が高い。肺がんが目立つ北海道は、喫煙率が全国トップです。このようにライフスタイルとがんの種類は密接に関係します。

 そこで、長野の医療事情です。長野は過疎地が多く、先端的な医療機関が多いわけではありません。高度医療が充実しているのは、松本くらい。全国で32カ所のがん医療の中核的病院が「全国がんセンター協議会」を組織していますが、長野で協議会に所属する病院はありません。長野は最先端医療ではなく、予防で着実にがんを減らし、長寿を手に入れたといえます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状