著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【糖尿病治療薬】年間売り上げ3600億円の巨大市場

公開日: 更新日:

 糖尿病治療薬の上位100位までの総売上高は3561億円。降圧剤には及ばないものの、巨大な市場を形成しています。

 トップはジャヌビア錠50ミリグラム。処方量では3位ですが、単価が高い(149.3円/錠)ので、売り上げ(年間605億円)ではトップに立っています。

 インスリンの分泌を促進し、グルカゴンの働きを抑えるクスリです。インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、グルカゴンは逆に血糖値を上げるホルモンです。ともに膵臓で作られ、血糖値に対するブレーキとアクセルの役割を担っています。ジャヌビア錠はブレーキを強く踏むと同時に、アクセルを弱める働きをするため、血糖値を効率よく下げることができるのです。

 MSD社は聞きなれない社名ですが、「メルク」と聞けばピンとくる人もいるでしょう。世界の5本の指に入る米国の製薬会社で、昨年度の売り上げは日本円にして約4兆5000億円。その日本法人がMSD社です。10位もMSD社の製品ですから、メルク社は日本人の糖尿病だけで、年間700億円以上も稼いでいるわけです。

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