著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【糖尿病治療薬】年間売り上げ3600億円の巨大市場

公開日: 更新日:

■ジェネリックは191億円

 2位はエクア錠50ミリグラム。こちらは血糖値に応じてインスリンの分泌を調節する作用があります。しかしグルカゴンの調節作用はありません。患者の病態によって使い分けられています。

 3位のトラゼンタ錠5ミリグラムはドイツの「ベーリンガーインゲルハイム」の日本法人が販売しています。ジャヌビア錠とほぼ同じ作用ですが、有効成分の化学組成が違っています。ベーリンガーは売上高で世界16位。ちなみに日本勢のトップである武田薬品は、世界では18位です。

 ジェネリックは上位100品目のうち、実に50品目を占めており、大健闘しているように見えます。上位ではトーアエイヨーのメデット錠250ミリグラムが14位(7900万錠)に食い込んでいます。しかし50品目をすべて合わせても、処方量は15億5000万錠で、糖尿病治療薬の総処方量の25.6%にしかなりません。しかも薬価が低いため、合計金額は約191億円と微々たるもの。市場占有率は5.4%にとどまっているのです。

 ちなみに100位は東和薬品のグリベンクラミド錠2.5ミリグラム。250万錠、1380万円の売り上げでした。

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