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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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公開日: 更新日:

 しかし、全国がんセンター協議会の調査によると、胃がんのステージ4の5年生存率は7・3%に低下。残念ながら、末期がんの治療成績は十分ではありません。

 国立がん研究センターはこの夏、がん治療の実態調査を発表しました。たとえばステージ4の胃がんの場合、75~84歳で治療を受けなかった人は24.8%に上ります。「85歳以上」は56%と年齢が上がるにつれて「治療せず」の割合が増えるのです。すい臓がん、肺がん肝臓がんも、ステージ4で85歳以上は「治療せず」が5割を超えています。

■「迷ったら受けない」

 治療なしの選択をする場合、期待される余命とQOLをベースに考えます。期待される余命は男女の平均寿命から逆算するといいでしょう。

 仮に80歳とすれば、残りの人生は数年。その限られた人生を病院で暮らすか、病気と折り合いながらやりたいことをやって暮らすか。そう考えたのが、安崎さんでしょう。末期がんは、痛みを伴います。治療なしといっても、そんな痛みを解消する治療は受けるのが一般的です。でないと、やりたいことができませんから。

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