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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

衝撃の告知広告 コマツ元社長「胆嚢がん治療しない」の真意

公開日: 更新日:

「10月上旬、体調不良となり入院検査の結果全く予期せざることに胆嚢ガンが見つかり、しかも胆道・肝臓・肺にも転移していて手術は不能との診断を受けました」

 こんな一文で始まる広告が産経新聞の社会面に掲載されたのは、先月20日でした。広告主は、コマツ元社長の安崎暁さん(80)。社告ではなく、個人の広告です。前代未聞の内容ですが、そのメッセージはとても重要でしょう。

「私は残された時間をQuality of Life(生活の質)優先にしたく、多少の延命効果はあるでしょうが、副作用にみまわれる可能性のある放射線や抗ガン剤による治療は受けないことにいたしました」

 治療を受けない選択をされた安崎さんは、「元気なうちに皆様方に感謝の気持ちをお伝えしたく」と感謝の会を開催することを決めて、その告知広告を出稿したのです。

 その方針に驚く人がいるかもしれませんが、決して無謀な選択ではありません。私は、賢明な判断だと思います。

 たとえば、胃がんは早期ならほぼ100%治ります。私も早期の胃がんと診断されたら、手術を受けて根治を目指しますし、患者さんにも当然、手術を勧めます。

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