【双子研究】一卵性双生児でも環境で20%の個人差が出る

公開日: 更新日:

安藤寿康教授 慶應義塾大学・文学部(東京・三田)

 人に「遺伝」と「環境」が、どう影響しているかみることができる「行動遺伝学」。

 主要な調べ方として古くから用いられるのが「双生児法」だ。同じ家庭環境で育った一卵性双生児(遺伝的類似性100%)と二卵性双生児(同50%)を比較することで遺伝の影響を調べることができる。

 双子研究を始めて約20年、これまで1万組(2万人)の双子を調査してきた安藤寿康教授(顔写真)は、双生児法の特徴をこう言う。

「双子のデータさえあれば、どんなことでも類似性を比較することで遺伝の影響があるか、ないか、あったとしたらどれくらい強いか、年齢によってどう違ってくるか、また、例えば、ある病気と別の病気の2つの形質の間に共通の遺伝要因があるか、それとも共通の環境からきているのか、ということも統計的に分析することができます」

 人はすべてのことにおいて「遺伝」と「環境」の両方の影響を受けている。病気の発症も同じだ。

 例えば、糖尿病の家族歴がある場合、一般的に次のような確率で糖尿病を発症するといわれる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々