<1>魚も植物もがんになる メダカは3カ月で

公開日: 更新日:

 石川氏は世界で初めてがん修復遺伝子を導入したマウスをつくり、DNA修復ががん発生に直接かかわることを動物実験で証明した。DNA修復酵素を組み込むと、発がんが抑えられ、逆に外してしまえば、がんがいっぱいできる。その石川氏は常陸宮殿下の魚のがんに関する研究も手伝ったことでも知られる。

「ある発がん物質を水に溶かして、メダカを3カ月間飼うと100%がんができます。肝臓や皮膚、えら、網膜、腸のがんもできるのです」

 メダカはマウスと違って短期間でがんができるうえ、透明で外側からがんの発生が簡単に観察できることから、今も実験用として重宝されているという。

「こうした魚や虫や植物のがん研究は人間のがん研究にも大きな貢献をします。例えば、ショウジョウバエのがんの遺伝子解析により、人のレチノブラストーマ(網膜芽細胞腫)という病気の発生機構の解明に大変役に立ったことが知られています」

【連載】がんとは何か

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々