著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

星由里子さんは無症状…肺がん胸水対策はまず「水を抜く」

公開日: 更新日:

昭和の撫子」として親しまれた女優・星由里子さんが旅立ちました。今年4月から5月にかけて不整脈の症状で検査を受けたところ、そこで肺に水がたまった痕があり、肺がんが発覚。緊急入院されていた京都市内の病院で息を引き取ったといいます。享年74。

「若大将シリーズ」のヒロイン役として大人気でしたから残念です。死因は肺がんと心房細動と報じられていますが、水がたまっていたことから肺がんによる「がん性胸膜炎」と推察されます。3月から新作映画の撮影に参加されたように元気だったところの訃報は、高齢社会の今、決して珍しくありません。

 肺は、胸膜という袋で覆われています。風船の中に風船が入っている関係で、中の風船が肺のイメージです。中の風船と外側の風船との間が胸膜腔で、そこには健康な人でも肺の動きをスムーズにするため水が薄く広がって水分量は適正に保たれています。

 ところが、肺の奥にできたがんが胸膜に浸潤し、炎症の拡大とともに水が増えると、その再吸収が十分でなくなり、胸膜腔にたまる水が増えるのです。それが、がん性胸膜炎です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言