著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ET-KINGいときんさんの命奪った肺腺がんには4つの治療薬

公開日: 更新日:

 肺がんというと、たばことの関係がイメージされますが、その中でも肺腺がんはたばこと関係が深くありません。そんなタイプが、肺がん全体の6割近くを占めます。先月31日に亡くなったヒップホップグループ「ET―KING」のリーダー、いときんさん(享年38=写真)の命を奪ったのも肺腺がんでした。

 昨年6月の健康診断でがんが見つかり、その後の精密検査でステージⅣの肺腺がんでリンパ節や脳転移があることも判明したといいます。肺腺がんは、脳転移を起こしやすいのも特徴です。

 肺腺がんを巡って、注目の遺伝子があります。上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子で、EGFRに変異がある人が発がん原因のおよそ半数。その変異があると、細胞増殖のスイッチがオンのままになってしまい、発がんやがん増殖の原因になるのです。

 転移の中でも最も恐れられている脳転移は、がん患者全体の10人に1人が発症。肺がんは、脳転移のうちの46%と圧倒的です。肺腺がんは、肺がんの最も多いタイプだけに、脳転移との関係でもEGFRの変異が無視できません。EGFR変異がある脳転移は、米粒ほどの小さな転移病巣が脳全体に見られるのが特徴です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  3. 3

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    我が専大松戸がセンバツ王者で無敗の横浜に大金星も、達成感、喜びをあまり感じない理由

  2. 7

    永野芽郁「キャスター」“静かにフェードアウト説”一蹴!主演映画も絶好調で“稼げる女優”の底力発揮

  3. 8

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」