卵巣がん死亡率が95%低減 遺伝子検査を医師が薦める根拠

公開日: 更新日:

 日本乳癌学会は先月、診療ガイドラインで、遺伝子変異が原因で乳がんを発症した患者について、がんになっていない側の乳房も再発予防のために切除することを「強く推奨する」との見解を示した。関連してさらに押さえておきたいのは、卵巣がんについてだ。

「遺伝子変異が原因の乳がん」とは、誰もが持つ「BRCA1」「BRCA2」の2つの遺伝子に変異が見られる乳がんだ。遺伝子変異があると、ない人に比べて、乳がんになる可能性は6~12倍と考えられている。

 そしてBRCA1・2遺伝子変異は、卵巣がんにも関係している。遺伝子変異がある人の卵巣がん発症リスクは、10~40倍。遺伝性の乳がん、卵巣がんを合わせて、「遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)」と呼ぶ。

 なぜこの記事で、乳がんのニュースから卵巣がんへと話を展開したか? それは、検診で早期発見が可能であり適切な治療で9割以上が治癒を期待できる乳がんに対し、卵巣がんは治る段階で発見するのが非常に困難だからだ。

 慶応義塾大学医学部産婦人科学教室・青木大輔教授が言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」