著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

小林麻央さんは34歳で他界 15~39歳“AYA世代”のがんの特徴

公開日: 更新日:

 がんは、細胞の設計図であるDNAにできた突然変異が積み重なって発症します。高齢化にともなって急増しているのはそのためで、今や2人に1人ががんになる時代です。しかし、若い人が、がんになることも珍しくありません。

 昨年6月、乳がんで命を落とした小林麻央さんは34歳でした。国立がん研究センターは、15~39歳の「AYA(Adolescent and Young Adult)世代」のがんの種類を分析したところ、30代では、乳がんが男女含めて22%でトップ。AYA世代では、女性の方ががんになりやすく、2位は13%で子宮頚がんが続いています。

 このような調査結果が公表されたのは初めてです。この世代は、中高年に比べて治療体制や支援が不十分で、早急な対策を進めるためです。結婚や出産など人生のイベントを控える世代でもあって、家族の形に大きな影響を与えますから、対策は重要でしょう。

■20代は生殖器に頻発

 20代では、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍が16%で、女性に多い甲状腺がんが12%で続きます。胚細胞腫瘍は、胎児期に各細胞に分化する能力を持った原始胚細胞が悪性化したものです。AYA世代に多く、小児期にできるものは、半数が脳など生殖器以外に発生。青年期だと、精巣に発生するタイプが9割以上です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情