肺移植手術は末期呼吸不全から生還可能な唯一の治療法

公開日: 更新日:

吉野一郎教授 千葉大学医学部付属病院・呼吸器外科(千葉市)

 臓器移植の中でも、最も難易度が高いとされる「肺移植」。移植治療は呼吸器外科をはじめ約30もの診療科・部門が関わる。チーム医療で行われるので、国内で実施できる認定施設は9大学病院しかない。同院は、そのひとつ。どんな患者が肺移植の対象となるのか。呼吸器外科の吉野一郎教授(顔写真)が言う。「対象は重度の肺疾患をもつ患者さんですが、3つの条件を満たす場合に行われます。1つ目は『他に治療法がない』。2つ目は『2年生存率が50%以下』と、生命の危険が迫っている。3つ目は、移植によって『元気になることが予想される』が前提となります」

 全国的なデータで見ると、移植の適用となる疾患は、肺が線維化して硬くなる「間質性肺炎」や肺動脈の血圧が上昇する「肺高血圧症」などが多いという。

 肺移植には、脳死ドナーから両肺もしくは片肺を提供してもらう「脳死肺移植」と、健康な家族2人から肺の一部(右下葉と左下葉)を提供してもらう「生体肺移植」がある。そして脳死肺移植では、日本臓器移植ネットワークに登録をして順番を待つことになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因