29歳で発達障害と知り…生活の対処法が見つかると前向きに

公開日: 更新日:

「命じられた指示がよく分からず、細かい内容を忘れてしまうことが多かった。『こんなこと普通は分かるよね』『また間違ってるの』と高圧的に言われると、頭がパニックになり、ますます間違えてしまいました」

 ひとくちに発達障害といっても、人によりさまざまな特性がある。複数の仕事を並行して行うマルチタスクを苦手とする人は多いが、福田さんは、言葉で指示を受けるのが苦手だった。

 遠回しに言われた内容をくみ取れず、相手の意図とはまったく違ったことをしてしまったこともあったという。留学のプランを提供するという仕事内容も、さまざまな留学の価値観があるなかで共感できないこともあり、ただ留学を売り込むという作業になっていた。結局、以前の仕事で発症したうつ病が再発し、仕事を辞めることになった。なぜ自分は仕事がうまくいかないのか? その原因を求めて、クリニックで成人知能検査であるWAIS―Ⅲなどの検査や問診を受け、初めて自分が発達障害だと知った。

 発達障害にはさまざまなタイプがある。医師の見立てでは、ADHDだった。ADHDは、注意欠如、多動性障害ともいわれ、集中できない、じっとしていることができないといった特性があるとされる。福田さんは疲れると言語面での複雑なやりとりが理解できにくくなる傾向がある、それが医師の説明だった。診断時、福田さんは29歳。障害を受け入れながら生きていくための方法として、障害者手帳を取得した。

「発達障害の診断を受けたとき、これで自分の生活のしづらさへの対処法が見つかるのでは、と思ったんです。だから、手帳の取得で少し生きやすくなるなら、と前向きに捉えていたんです」

(つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」