震災時におびえ症状も 発達障害の子供をどうケアするべき

公開日: 更新日:

 最大震度6弱を記録した大阪北部地震の被災地では、公共交通機関や電力の復旧が急ピッチで進み、大人たちは平静さを取り戻しつつあるが、気になるのは子供たちだ。昼間は元気に見えても夜は「大人から離れたがらない」「暗闇を怖がる」などおびえの症状が表れる。とくに発達障害の子供たちは、こだわりが強く変化に敏感なため、トラブルが増え、特別なケアが必要となる。震災時、小中学生の15人に1人といわれる発達障害の子供たちに対して、どのように接すればいいのか?

「大事なことは今いる場所が安全・安心だと感じさせることです。それには本人が保護者についていられるような周囲の配慮が必要です。発達障害の子供たちに指示するときは必ず『理由』を言いましょう。彼らは状況を把握し予想するのが苦手で、変化の意味を理解しづらい。それをわかったうえで接することです」

 こう言うのは発達障害治療の専門医で「どんぐり発達クリニック」(東京・千歳烏山)の宮尾益知院長だ。たとえば「今いる建物は震度7まで耐えられる構造物だから大丈夫」「もう一回揺れると、ここは危ないから安全な場所に移動しよう」「並んでいれば30分ほどでお水がもらえておいしい水を飲むことができる」など、現在の状況とこれから行おうとすることの理由を具体的に説明することが大切だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝