早発閉経でも年齢相応の妊娠率へ 卵子を凍結保存する手も

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 手術は、腹腔鏡手術で行う。卵巣の一部または片側の卵巣を取り出し、原始卵胞が残っていることが確認できたら特殊な薬を使い48時間培養して活性化させる。その後、再び腹腔鏡手術で卵管の近くに活性化した原始卵胞を移植する。手術の効果は1~2年くらい続き、この間にホルモン療法と排卵誘発剤を用いて卵胞を育てる。成熟した卵胞が確認できたら、採卵して体外受精を行うのだ。

 この最新療法を用いて、2013年には世界で初めて早期閉経患者の妊娠、出産が日本で成功し、世界的な話題となった。原始卵胞が残っていれば、50~60%の確率で成熟した卵子がつくれるという。手術で摘出した卵巣の余った部分は、凍結保存しておけば再度治療に使うこともできる。

 ただし、妊娠率は患者の年齢相応のレベルを超えない。これまで実際に妊娠に至ったのは116例中12例、21例は今後、胚移植予定という。

「早期閉経は発症前に『生理不順』の前触れがあることが多い。疑いは『抗ミュラー管ホルモン』を測定(採血)すれば分かるので、心配な人は早めに検査を受けることを勧めます」

 疑いがあれば、事前に卵巣を凍結保存する対策も取れるという。

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