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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

死亡率が低い女医の患者 その対応力は男性医師も学ぶべき

公開日: 更新日:

 女性をターゲットのひとつにした東京医大の“受験差別”が問題になっています。大学側は得点操作の理由として、女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあるということを挙げているようです。戦力確保を狙うなら、私は女医をそろえる方がよりよい医療を提供できると思います。

 女性医師の実力を端的に示しているのが、米ハーバード大公衆衛生大学院の研究です。研究グループは2011~14年の間に米国の急性期病院に入院した65歳以上の高齢者約130万人を分析。「入院から30日以内の死亡率」「再入院率」などの項目で比較したところ、女性は男性に比べて「30日以内の死亡率」は0.4%、「再入院率」は0.6%低いことが明らかになったのです。

 この研究が行われた背景が、重要です。実は当時の米国の医療には、性差にともなうバイアスが生じていて、病院は病院で「重症な患者は、女性には難しいだろうから、男性に担当させよう」としたり、患者は患者で「女性は不安だから、男性に診てもらいたい」といったことがありました。はたして、医師の力量は男女で違うのか。それをきちんと調べる目的で始まったのが、米ハーバード大の研究です。

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