著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

余命6カ月の宣告に頭が真っ白 治療を希望しないことに…

公開日: 更新日:

 Mさん(56歳・男性)は8年前、奥さまを乳がんで亡くした後に会社を辞め、ある山村の古民家を購入して移住しました。

 日中は畑を耕し、夜は星を観測するなど、文字通り晴耕雨読の生活を謳歌していました。

 それでも、定期健診はA病院に出向いて毎年受けていました。今回の採血の結果もまったく問題なかったのですが、1週間後、朝の超音波検査が終わってから10時30分ごろに診察室のF医師に呼ばれました。

「膵臓の尾部に腫瘍が見られます。今日、これからCT造影検査を行いましょう。採血で追加の腫瘍マーカーも見ておきます。検査が終わったら食事をして待っていてください。午後2時ごろに、もう一度お呼びします」

 Mさんは「え!」と驚き、不安がよぎりました。ただ、まったく症状もないことから指示に従って検査を受けました。

 そして、午後2時になり、F医師から告げられます。

「膵臓がんが尾部にできていて、胃と腎臓に接しています。手術は無理だと思います。余命はあと6カ月、長くて1年と思ってください」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁