桂歌丸さんも苦しんだ…余命十数年でも気づかないCOPDとは

公開日: 更新日:

「日本ではCOPDで治療を受けている人は10%ほどで、90%は潜在患者。COPDがある人の方が高血圧や虚血性心疾患、糖尿病などさまざまな疾患を起こしやすく、死亡率も上がります」(武知院長)

 COPDの治療は、症状に応じた薬物療法や運動療法などの呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)になるが、「COPDに詳しい医療スタッフが患者さんと伴走して行う呼吸リハが重要」と武知院長は強調する。

「診断率が低いからこそ適切なケアにたどり着かず、訳の分からない息苦しさに襲われると呼吸が乱れ、自分の呼吸で動的肺過膨張(“息を吸うが、吐き出しきれずに残る”を繰り返す)を起こして呼吸困難感が増し、そのたびに救急車で病院に運ばれることになる」(武知院長)

 つまり、悪循環だ。70代男性は、以前は年に3回以上入院していたが、武知院長の在宅チームの伴走後は、4年5カ月のうち、入院は肺炎による1回だけだった。

 喫煙者であれば、まずは自分の肺の状態を知る。もしCOPDと診断されれば、将来動けなくなった時を見越して、最適な伴走者探しを。“手遅れ”になる前に。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督