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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

桂歌丸さんの命を奪ったCOPDは肺がん合併で治療が困難に

公開日: 更新日:

 ミスター笑点といってもいいでしょう。回答者として40年間、司会者として10年間も笑点に携わった落語家の桂歌丸さんが、亡くなりました。享年81。死因は慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、呼吸機能が低下する病気です。鼻に酸素吸入器をつけて高座に上がっていた姿から、最期まで芸に打ち込む思いがひしひしと伝わってきました。

 歌丸さんの命を奪ったCOPDは、がんとも密接な関係があります。そう、肺がんです。COPDは“たばこ病”とも呼ばれ、その刺激などで気管支に炎症が生じ、ひいては肺胞が破壊されて呼吸機能が低下します。COPDの人は、そうでない人に比べて最大で5倍、肺がんになりやすいといわれているのです。

 今回、取り上げるのは単にたばこと関連するということだけではありません。肺がんでCOPDを併せ持っている人は、治療が難しいのです。

 第1は、肺がんが早期でもCOPDがあると、外科手術を行いにくくなります。COPDですでに低下している呼吸機能が手術によってさらに低下すると、術後呼吸器合併症が起こりやすくなるのです。

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