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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

松浪健四郎さんはステージ1 厄介な膵臓がんも0期なら治る

公開日: 更新日:

「悲しきかなちょんまげがなくなってしまいました」

 このご時世にちょんまげなんて、と驚いたかもしれませんが、日体大理事長の松浪健四郎さん(72)のことです。先月末に出席された日体大柔道部の祝賀会で、がんであることを公表。そのための抗がん剤治療の副作用で、毛が抜け、トレードマークを失ったと報じられました。

 当時のスポーツ紙などには、激ヤセした写真も掲載されたことから、ネットなどには重病説も飛び交っていますが、本人は「大したことはない」と一蹴しています。

 どんな病状かというと、今年5月に前立腺がんが見つかり、ホルモン治療を受け、その後、リンパ腫も発覚。そのリンパ腫は転移ではなく、別のがんで抗がん剤治療を受けたとのこと。その治療途中に膵臓がんも見つかったそうです。3つのがんはいずれも早期で、膵臓がんもステージ1ということから、体調は心配ないということなのでしょう。

 前立腺がんには、低リスク、中間リスク、高リスクの3つのタイプがあり、低リスクなら何も治療せず様子を見る「待機療法」も可能。がんの中では、比較的穏やかですが、待機療法が選択されず、発言内容やホルモン療法を受けていることなどから推測すると、中間リスクでがんが前立腺内にとどまっているのでしょう。

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