著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

高血圧が減っているのは降圧剤と塩分摂取の影響ではないか

公開日: 更新日:

 血圧が高い人は同年齢で見ると少しずつ減っていると書きましたが、年齢調整した収縮期血圧140㎜Hg以上の人の割合も、この10年で男性では31.7%から26.1%に、女性は25.8%から20.2%に減っています。ただこれにはもう少し説明が必要です。この血圧の調査には、血圧の薬を飲んでいる人が多く含まれているからです。

 国民健康栄養調査では、血圧の薬を飲んでいる人の割合も調査されています。その数字も見てみましょう。

 全体では29.1%の人が血圧の薬を飲んでいます。年代別に見てみると、20代、30代では0.9%、40代で5.1%に過ぎませんが、50代では17.8%、60代では33.9%、70歳以上では53.8%と、加齢により急激に高血圧と診断され降圧薬を飲む人の増加が明確です。血圧の薬を飲んでいる人の割合の推移はこの調査では示されていませんが、血圧の治療基準が徐々に厳しくなっていることを考えれば、10年前と比べて血圧の薬を飲んでいる人の割合は増加しているでしょう。

 つまり血圧の低下傾向や上の血圧が140以上の人の割合が減っているのは、血圧の薬を飲んでいる人の割合の増加が大きく関係しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景