著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

命に関わる低血糖を簡単に早期発見できる意外な方法が

公開日: 更新日:

 今回は、妻による夕食の準備中、インスリンを打ってから30分後に食事が始まるまでの間、僕がどうしていたかという話の続きである。

 妻から見える食卓にいることにしたのはもちろん、そこで何をするかも問題だった。試行錯誤の中でひとつ分かったのは、受動的な活動は避けたほうがいいということだ。

 たとえば読書。文意が読み取りにくいと感じたら、それはほぼ低血糖に陥っている証拠なのだが、頭が正常に働いていても読み取りにくい文章、というものもある。事実、野坂昭如の小説を読んでいて、「なんて読みづらい文章なんだろう」と思っていたところ、実は低血糖になっていたというケースもあった。

 でも野坂が悪文なのはそれはそれで事実なので、文章を読み取りにくいかどうかを判断基準にするのは難しい。それに、「読む」という行為は受動的だ。時には自分が文意を読み取れていないことに気づいてすらいない場合がある。

 その点、小説なりなんなりの原稿を書くという活動なら、十分に能動的である。文章がうまく組み立てられない時点で、自分がおかしくなっていることにいや応なく気づく。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情