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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ピンピンコロリの手前の状態を指す「フレイル」とは何か

公開日: 更新日:

 ごく単純化すれば、ロコモは「整形外科的な老化と障害」、サルコは「内科的な老化と病気」ということになります。

 もちろん、きっちり分けられるものではないし、両方が混在しているお年寄りも大勢いるわけです。

 ではフレイルはどういうものでしょうか?

 これは特定の病気や症状というわけではなく、健康状態から要介護に至る中間的な状態と定義されています。ロコモもサルコも内包する、かなり広い概念を表す言葉です。

 オリジナルは英語の「frailty」。論文にはよく使われているのですが、日本語に訳そうとすると「虚弱」「衰弱」「老衰」などとなって、どうもしっくりしません。そこで日本老年医学会などが「フレイル」にしようと決めたのです。なんだか「震える」ような語感で、いかにも体が弱ったお年寄りを連想させるではありませんか。

 フレイルとは何かを、簡単な模式図で説明します。

 図の縦軸は予備能力(生理的予備能)と呼ばれています。病気や精神的なストレスなど、心身が受けるさまざまなダメージから回復する能力、つまり体力・気力にどれだけ余力があるかを示しています。横軸は年齢(加齢)で、右に行くほど高齢になります。

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