歯周病を放置する恐怖 膵臓がんリスクが上昇し2倍以上に

公開日: 更新日:

 歯科の健康は全身の健康につながる――。かつてから言われてきたが、最近のトピックスとして注目なのは、エビデンス(科学的根拠)が出てきたことだ。鶴見大学歯学部探索歯学講座教授の花田信弘教授は「国立循環器病研究センターの発表では、歯周病はすべての臓器に影響を与える。疫学的には分かっていたが、10年前はエビデンスが足らないと言われていた。それが今、かなりのエビデンスが出てきた」と話す。

 歯周病が臓器の健康を損なうのは、ひとつは、歯を失うことで食物を噛みにくくなり、栄養低下につながること。そしてもうひとつは、ポルフィロモナス・ギンギバリス菌(以下、ギンギバリス菌)をはじめとする歯周病菌などの口腔細菌が全身を駆け巡り、さまざまな臓器にダメージを与えることだ。それは非常に多岐にわたる。

「たとえば、歯周病菌を保菌していると膵臓がんの発症リスクが高くなります」(花田医師)

 ギンギバリス菌であれば1・6倍。別の歯周病菌であるアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタン菌であれば2・2倍。膵臓がんは非常に生命予後が悪いがんとして知られる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々