「ALP」には6タイプが 分析で異常の“震源臓器”が分かる

公開日: 更新日:

 胆石や腫瘍などで胆汁の流れが滞るときも、ALPとγ―GTPなどがそろって上昇するのが特徴です。一般の方は、酒の席などでγ―GTPの異常をネタに話をされることがよくありますが、肝機能に異常があるときは、γ―GTP以外の数値も異常を示すのが特徴です。

 では、ほかの数値に異常がなく、ALPが単独で高いときはどう判断するか。肝臓や胆道系以外の病気を疑います。それをより詳しく調べる検査がアイソザイムです。

 ALP3が高いと、骨折や骨粗しょう症、がんの骨転移のように骨の異常ですから、X線でチェックできます。甲状腺機能亢進症によって骨の代謝がよくなるときも、ALP3が上昇することが少なくありません。ただし、ALPの基準値は施設によって幅が大きい。同じ施設で定期的にチェックし、比較することが重要です。ALPは、健康でも上昇することがあります。たとえば閉経後の女性は、ALP2と3が上昇しやすく、妊娠後期の妊婦はALP4が3倍にハネ上がることも。血液型がBかOだと、健康でも食後にALP5が上昇することがあるのです。ALPの異常が続くときは、かかりつけ医でアイソザイムを調べた上で、エコーやCTなどで精密検査を受けることです。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇

  2. 2

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 5

    山﨑賢人&広瀬すず破局の真偽…半同棲で仕事に支障が出始めた超人気俳優2人の「決断」とは

  1. 6

    ご都合主義!もどきの社会派や復讐劇はうんざり…本物のヒューマンドラマが見たい

  2. 7

    「石破続投」濃厚で党内政局は形勢逆転…そしてこれから始まる“逆襲劇”

  3. 8

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  4. 9

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  5. 10

    自民保守派が“石破おろし”で分裂状態…次期党総裁「コバホークだ」「いや高市だ」で足並み揃わず