著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

飲酒による発がんリスクは「たばこ」何本分?専門誌に論文

公開日: 更新日:

「適度な飲酒は健康に良い」などと言われることもありますが、近年報告されている研究では、少量の飲酒でも健康に悪影響を及ぼす可能性が示されています。

 そんな中、飲酒によるがんの発症リスクを、生涯リスク(人の一生を通じて健康障害が発生しうる潜在的可能性)という視点で検討した研究論文が、生物医学分野の大手出版社バイオメド・セントラルが発行する公衆衛生の専門誌に2019年3月28日付で掲載されました。

 この研究では英国における一般的な集団の発がんに関する生涯リスクを解析したうえで、飲酒によって発生しうるがんの生涯リスクを、喫煙によって発症しうるがんの生涯リスクに換算した場合、どの程度に相当するのかについて検討しています。

 解析の結果、非喫煙者において1週間にワイン1本飲む人は、男性で1.0%、女性で1.4%、がんの生涯リスクが増加しました。つまり非喫煙男性1000人、同女性1000人が、1週間にワイン1本を飲んでいると、男性で10人、女性で14人が一生のうちのどこかでがんを発症することになります。このリスクを喫煙によるがんの発症リスクに換算すると、男性で1週間にたばこを5本、女性で同10本という結果でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり