広がる治療の選択肢「潰瘍性大腸炎」で知っておくべきこと

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 下痢がよく起こる。ねばねばした粘液と血が混じった便も出る。腹痛やお腹の不快感がある――。これが、潰瘍性大腸炎だ。今、治療の選択肢がいくつもあるが、“古い治療”のままの患者も多い。潰瘍性大腸炎の治療に力を入れる大阪・インフュージョンクリニック院長の伊藤裕章医師に適切な診断と治療のポイントを聞いた。

 下痢がよく起こる病気といえば、過敏性腸症候群もある。これは、検査をしても胃腸に原因となる異常が見つからず、しかし下痢、または便秘、またはその両方を繰り返す。

「潰瘍性大腸炎との違いは、粘血便(粘液と血が混じった便)があるかどうか。過敏性腸症候群は下痢はあるが、粘血便はありません。粘血便が見られれば、潰瘍性大腸炎を考えます」(伊藤医師=以下同)

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こり、潰瘍やびらんが連続的にできる原因不明の病気だ。患者数は増加しており、かつて「日本人に多い病気」といわれていた胃がんの2倍以上。患者数は、慢性腎不全や大腸がんに匹敵する(2014年10月時点)。

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