著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

製薬会社は拒否 関西医大が行うすい臓がん治験の可能性

公開日: 更新日:

 新しい薬の効果や安全性を調べて、保険で利用できるようにするには、臨床試験が必要です。

 製薬会社が費用を負担して行うのが一般的ですが、関西医大の研究チームは医師主導で膵臓がんの新治療法の臨床試験を行うと報じられました。

 その費用は、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングで集めるといいます。

 この仕組みは、極めて異例です。なぜそんなことになったかというと、協力を求めた製薬会社に断られたのが大きいでしょう。

 今回の治療法は、関西医大胆膵外科の里井壮平教授(写真)らのチームが研究しているもので、経口抗がん剤の「S―1」と、静脈注射で投与する抗がん剤「パクリタキセル」の併用療法です。膵臓がんが腹膜に転移して手術ができない患者180人を対象に、従来の治療法と比較します。

 これらの薬は、いずれも先発品としての特許が切れていて、ジェネリック医薬品(後発品)が発売されているのがミソ。先発薬を開発した製薬会社は、その薬の特許が切れて、後発品が出ると、強力に売ろうとすることはありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状