著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

男性より丈夫で長持ち 女性の肉体は「ハイブリッド構造」

公開日: 更新日:

 女性の細胞では、2本あるX染色体のうち、1本が完全に休眠状態になっています。つまり、見かけ上はXX型なのですが、実際に使われているX染色体は1本だけなので、事実上のX型なのです。これが「X染色体の不活化」と呼ばれる、女性だけに見られる現象です。

 でも、ちょっと待ってください。男性はXY型ですが、年齢とともにY染色体が消失してX型に近づいていくという話でした。そして、Yの消失に伴って、がんなど重大な病気のリスクが上がってしまうのです。だとしたら、女性は実質的にX型なのですから男性よりも病気のリスクが高く、寿命が短いはずではありませんか。

 確かに、細胞レベルで見ればそういうことが言えそうです。

 しかし、X染色体には「父系X」と「母系X」があります。それぞれ同じ遺伝子をのせていますが、その片方が壊れていたり、働きが悪かったりはよくあることです。ですから、どちらが休眠するかで健康リスクが変わってくるはずです。

 ところが、女性の体には、こうした問題を回避する、巧妙な仕掛けが用意されているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ