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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

子宮頸がんと中咽頭がんに共通 "口腔奉仕"で若者に急増中

公開日: 更新日:

「子宮頚がん手術を受けた方と放射線で治療した方のQOLは、まったく違います」

 こう言うのは、子宮・卵巣がんのサポートグループ「あいあい」の代表まつばらけいさんです。子宮頚がんを放射線で治療された方は、発症前と変わらない生活を送ることができ、「術後の合併症で苦しんでいる方に申し訳ない」と患者会の参加をためらう方もいるそうです。

 今回は、子宮頚がんが女性だけの問題ではないことをご紹介します。子宮頚がんでリンパ節とともに子宮を全摘すると、直腸や膀胱の排泄に関わる神経が障害され、排便や排尿のトラブルを招くことがあります。リンパ浮腫でむくんだ脚は、もう一方より明らかに太くなる、見た目の問題だけでなく、脚を動かしにくくなり、さらには感染症にもなりやすい。

 男性にとって重要なのが、性交痛です。膣分泌物の低下で、潤いが不足し、痛みを生じやすいのです。まつばらさんのところには、性交痛に関する相談がとても多く寄せられるといいます。

 その解決策として、潤滑ゼリーがありますが、その情報を知らずに夜の営みを続けるのは、女性にはつらいでしょう。性交渉を拒否された男性が、「嫌われた」と誤解し、夫婦関係がギクシャクすることも珍しくないそうです。それで、潤滑ゼリーを紹介すると、とても喜ばれるといいます。

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