著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

歩行は脳にも効果的 座っているとひらめきは生まれない

公開日: 更新日:

 歩くことが健康に良いということを最近耳にします。歩行は最も簡単に出来る全身運動で、日本の有名な疫学研究である、群馬県の中之条町での研究結果では、早歩きを交えながら歩くことにより、その歩数によって、多くの病気が予防可能であることが示されています。ただ、それは体の病気だけであって、脳の働きとはあまり関係がないと、思われている方が多いかも知れません。

 実は、歩くことと脳の働きとの間には大きな関係があるのです。

 2014年の認知機能の専門誌に掲載された、スタンフォード大学の研究結果によると、人間の脳の創造的な働きは、座っている時よりも歩いている時の方が、60%も活性化することが分かりました。

 こうした活性化は検査を受けた人の8割以上に認められ、座ったり歩いたりを繰り返した実験でも確認されています。もちろん、集中してひとつのことを考えるような脳の働きは、じっと座っている時の方が優れているのですが、ひらめきのようなものは、体を動かしている時により活性化されるものであるようです。

 高名な哲学者や科学者が、散歩をしていてひらめきを得た、というような話は昔から定番ですが、歩きながら考えることが創造性を刺激するというのは、最新の脳科学でも証明されていることなのです。

 皆さんも脳を活性化するために歩いてみて下さい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  3. 3

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  4. 4

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  5. 5

    フジテレビにとって“CMスポンサー撤退”より危険な「致命的リスク」とは? 企業危機管理の専門家がズバリ

  1. 6

    “天皇”日枝久氏しか知らない「ジャニーズ圧力」「メリーの激昂電話」 フジテレビは今こそ全容解明を

  2. 7

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  3. 8

    巨人の50億円助っ人マルティネス 真面目でお人よしなだけに深刻な「2つの重圧」

  4. 9

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  5. 10

    リアル店舗にこだわり続けるホビーショップ 経営危機からのV字回復は「脱 安売り」だった