著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

脳卒中が増加?菜食主義のダイエットが健康に与える影響は

公開日: 更新日:

 肉ブームがある一方で、菜食主義にも根強い人気があります。菜食主義の食事というのは、肉や魚を食べないことで、より厳しい「ビーガンダイエット」と呼ばれるものは、更に乳製品や卵も禁止するというものです。このような菜食主義のダイエットは、健康面ではどのような影響があるのでしょうか? 

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という権威ある医学誌に、それについての研究結果が報告されています。イギリスで5万人近い一般住民を18年以上という長期間調査したところ、肉を食べる人と比較して、魚は食べるが肉は食べない人は13%、菜食主義者では22%、心筋梗塞などの心臓病のリスクが低下していました。

 その一方で脳卒中に関してみると、菜食主義者は肉を食べる人より20%も、そのリスクが増加していました。より細かくみてみると、菜食主義者で増えているのは出血を伴うような脳梗塞でした。つまり、肉や魚を一切食べない食生活は、心臓の病気は減らしますが、脳の病気は増やしているという結果です。その原因は不明ですが、徹底した菜食主義では、タンパク質や脂質が不足する傾向があり、それが脳の血管を弱くした可能性が考えられます。菜食主義の方は、必要な栄養素が取れているかどうか確認することが、健康のためには必要かも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言