表面に浅い潰瘍やびらん…なぜお酒を飲むと胃が荒れるのか

公開日: 更新日:

 いよいよ令和元年も数日で終わりです。最後は仲間内でお酒を飲み年忘れ、という人も多いでしょう。お酒を飲むといつも楽しくてついつい飲み過ぎちゃうという人は、自身の胃袋のことも少し考えて欲しいものです。

 大量にお酒を飲んだ人の胃袋を見ると、浅い潰瘍や出血性のただれ(びらん)、あるいは出血が至るところに見つかります。お酒に含まれるアルコールが胃酸による自己消化を防ぐ胃の粘膜防御機構を壊し、胃粘膜障害(血流障害)を起こすからです。その結果、腹痛や吐血・血便・嘔吐などの症状が表れます。本来、少しのお酒は消化酵素の分泌を増やしたり、胃の血流を良くすることで胃の動きを活発にして消化運動を高進させ、食欲増進にもつながります。

 ところが適量を超えると、消化管に障害を起こします。口から摂取されたアルコールは食道を通り、胃で20%、小腸で残りの80%が吸収され、90%以上が肝臓で代謝されます。肝臓で代謝されたアルコールは、呼気や尿として体の外に排出されますが、その量が多過ぎると、分解しきれなかったアルコールや分解途中に生成されるアセトアルデヒドと呼ばれる毒性の強い物質が、血液を通じて長時間、体内を漂い、粘膜の血流や消化液などに影響を与えるだけでなく、消化管平滑筋内のタンパク質や神経を障害し、消化管の運動機能に影響を与えます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い