著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【ぬか漬け】ぬか床にはヨーグルトの10倍の乳酸菌が存在

公開日: 更新日:

 ぬか漬けの材料は米ぬか、塩、水。混ぜ合わせて「ぬか床」を作り、そこで野菜を漬けた伝統的な漬物です。江戸時代、精米技術が発達して玄米から米ぬかを分離できるようになったことから、米ぬかを利用したぬか漬けが浸透してきたそうです。

 ぬか床には乳酸菌と呼ばれる腸内環境を改善してくれる善玉菌が豊富に含まれています。乳酸菌はヨーグルトなどにも多く含まれているので有名ですね。ヨーグルトも発酵技術の進歩により、1ミリリットルあたり1000万個以上の乳酸菌が含まれている商品もありますが、ぬか漬けの乳酸菌はなんとその約10倍! 1グラムあたり1億個も含まれています。ただ、ぬか床は仕込みたての場合、乳酸菌が少ないのです。東海漬物のホームページ(漬物機能研究所の調査)によると、約10日たった頃から酸味が増す発酵中のぬか床で乳酸菌数が増えることが報告されています。

 乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する可能性があることもわかっています。腸内環境が良くなると、免疫力も高まり、アレルギー予防や整腸作用、疲労回復などの健康効果へつながるのでおすすめです。また、米ぬかに多く含まれるビタミンB1は野菜の中へ浸透するので、野菜のビタミンB1含有量が増加します。たとえば、漬け時間によっても違ってきますが、キュウリ1本(約100グラム)に含まれているビタミンB1が0.03ミリグラムなのに対し、ぬか漬けだと0.26ミリグラムと約10倍にも増えていくのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも