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松生恒夫医学博士

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

菜食主義生活を送ったジョージの基本は「地中海食」だった

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 ジョージ・ハリスンはビートルズのメンバーの中でもっとも早く菜食主義に傾倒し、それを一生涯にわたり厳格に実践していました。ジョージの転機といえば、まず真っ先にイメージされるのがインド訪問です。1960年代後半、インドを訪れたジョージは、インド音楽、その背景にある文化、とりわけ瞑想、ヨガ、そして菜食中心の食文化に大きな影響を受けます。他のメンバーを連れ立ってインドを訪れ、瞑想、ヨガのトレーニングを受けたりもしています。とはいうものの、食生活がインド風一色であったわけではないようです。インド風、イタリア風、英国風など各種の菜食メニューを取り入れていました。

 ジョージはロンドンから列車で1時間ほどの大邸宅に住んでいました。「フライヤーパーク」と名付けられたその邸宅は、25のベッドルーム、豪華な舞踏室、大ホール、応接間、書斎、ダイニングルーム、巨大キッチンを備えていました。室内の至るところに豪華な彫刻が施されており、敷地面積は20エーカー(約8万平方メートル)もありました。

 妻のパティは料理に励み、2人は菜食主義生活を送っていました。肉、魚を使わないレシピなだけに、パティはなんとか変化をつけようとソースづくりには特に気を使いました。また彼女は、邸宅のあったヘンリー・オン・テームズ(Henley on Thames)の中心地までクルマを飛ばし、各種のチーズやパスタ類、珍しい野菜、世界各国の米、果物、ナッツ、豆、オリーブオイル、ビネガー、スパイスなどを買い求めました。これらの素材を使った料理を振る舞いパーティーを開くこともあり、その折にはワインも飲んでいたようです。

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