新型コロナウイルスは致死率9%のSARSと何が違うのか?

公開日: 更新日:

 Sタンパク質はウイルス表面にあって、免疫のターゲットとなりやすい。そのため、宿主の免疫から逃れるために、S遺伝子は絶えず進化し続けている。ウイルスは遺伝子の突然変異率が高く、その逃げ足はかなり速い。

「実際にS遺伝子に生じた突然変異は世界各地で報告されています。例えば、インドで最近報告されたS遺伝子の突然変異はヒトの細胞のACE2と相互作用するSタンパク質の立体構造を変える可能性があるそうです」

 そのため、たとえ一度感染し、免疫を獲得したとしても、突然変異したウイルスに再度感染する可能性もゼロではない。そもそもまだ、一度感染したウイルスがどのくらいで生体から排除され、また獲得した免疫がどの程度持続するのかなどは明らかになっていない。感染者の8割は軽症か無症状といわれるが、新型コロナを甘くみてはいけないのだ。

【連載】緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした