<1>呼吸器だけではない 血液介在の全身感染症だった

公開日: 更新日:

「PCR検査は確かに感度は高いのですが、検体採取の場所にウイルスがいなかったり、検体採取の技術力の差で結果が左右されるため、陽性の人がたまたま陰性になったのかもしれません。そもそも抗体がウイルスに対して有効かどうかもわからず、再感染の可能性もゼロではない。しかし、新型コロナウイルスがPCR検査の対象である咽頭部からは消えて、血管内皮や血液細胞、骨髄などその他の臓器で無症状のまま持続感染している可能性もある。他のウイルスではしばしば見られることです」

 すべての生物は多くの子孫を残そうとする。SARSウイルスと同一祖先を持ち、別々に進化してきた新型コロナウイルスも地球上で最強の宿主に取り付くため、“親戚”のSARSウイルスと異なる特徴を持つ。弱毒化という武器だ。

 ウイルスは単独では生きていけない。SARSのように強毒なウイルスは宿主を簡単に殺してしまったり、感染早期から動けなくしたりするため、広く感染することはできない。そのため、新型コロナウイルスは弱毒化という方法を取った。宿主は感染しても数日から2週間程度は自覚症状がないため動き回り、ウイルスをまき散らす。そして多くの感染先を確保する。ひょっとしたら、弱毒化により、臓器によっては痛みや不快感などの症状が出ないまま持続感染できる仕組みを獲得しているのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」