高齢者の目から突然出血…深刻な病気の症状である可能性が
【Q】朝は何もなかった60歳になる母の右の白目の内側が急に真っ赤に出血で染まりました。涙に血は混ざっておらず、痛みも視力低下も訴えてはいません。以前にも似た症状が起きてその時には結膜下出血と言われましたが、心配ないでしょうか?
【A】同様の症状を訴えて来院される患者さんがよくいらっしゃいます。結膜下出血とは、この例のように眼の白目に現れるくっきりした出血を表す眼科用語です。結膜下出血は急に目が真っ赤になったイメージを持たれますが、隣接する角膜や皮膚に広がらず、テノン膜(眼球の結膜と強膜の間にある薄膜のこと)と結膜の間の深さの空間に血が貯まります。特に打撲などの自覚もなく、発症時にチクッと痛かったと言う事もありますが、出血自体は一般的に無痛であり、視力低下や視界の歪みはきたしません。
結膜下出血は、一般的にはほぼ問題ない物ですが、稀に深刻な病気の症状である可能性もありますから、一度は眼科医を受診されることをお勧めします。
出血の原因として考えられるのは、激しいくしゃみや咳、例えば百日咳など。物を持ち上げたり押したりする運動、分娩、嘔吐などといった胸腔内圧をあげるりきみなどの運動による静脈圧の上昇も原因になりえます。