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清澤源弘自由が丘清澤眼科院長

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

コロナで静かに広がる「生活不活発病」足腰弱り通院を中断

公開日: 更新日:

【Q】緑内障で通院していましたが、コロナ外出自粛の間に足腰が弱って通いきれなくなりました。良い方法はないでしょうか?

【A】新型コロナ感染拡大防止のため、当院でも3月頃から受診控えが目立つようになりました。4月上旬の緊急事態宣言で医療機関への受診は外出自粛の対象ではありませんでしたが、受診控えは加速しました。高齢者や慢性疾患の方々はコロナ罹患はハイリスクということもあり、受診のための移動に感染リスクを感じられる方も多かったようです。

 しかし一方で、緑内障のような慢性疾患は点眼を中断することで進行してしまうリスクも高く、当医院でも医師が電話で病状を聞いて処方箋を送る「電話診療」対応をおこないました。宣言解除後、来院を再開される方々が増えてきましたが、ご質問者のように、高齢で身体と認知機能の衰えが顕著な患者さんが目立つようになりました。外出自粛中、ほとんど家に籠られていた結果、2~3カ月ぶりの受診で足腰が弱り、待合室から検査や診察室への移動もままならない方もおられます。視力や眼圧測定はなんとか可能ですが、緑内障診療に必要な視野測定は体勢の維持と集中力を要するため、検査を受ける余力はなく、薬の処方だけを求めるといった患者さんが日に数人みられます。これは「生活不活発病」といって、運動不足が続いたことにより心身の機能が低下して動けなくなる状態です。

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