著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

タマの痛みの正体は…細菌が逆行して精子の貯蔵庫に感染

公開日: 更新日:

 精巣上体炎の症状は基本的に片側の陰嚢(いんのう)に起こります。最初は陰嚢の中の精巣上体の痛みで始まり、次第に陰嚢全体に痛みが広がっていきます。陰嚢が赤く腫れて熱を持ち、炎症が強いときは38度以上の全身の高熱も起こります。放置すると陰嚢に膿(うみ)がたまり、さらに悪化すると皮膚が破れて膿が出てくることもあります。男性不妊の原因になりますので早期の受診が肝心です。

 他にも急に陰嚢に痛みが出る病気はあります。大人のおたふく風邪が原因の「ムンプス精巣炎」は、発症(頬や顎の下が腫れる)から4~7日後に陰嚢に痛みが出るのが特徴です。

 精巣上体炎よりも陰嚢に急激に強い痛みが出るのが「精索捻転(睾丸回転症)」です。精巣に血液を送る血管や精管が入っている「精索」というヒモ状の部分が何かの拍子にねじれてしまう病気で、放置していると精巣が壊死(えし)します。

 精巣上体炎との鑑別のポイントは「プレーン徴候」です。腫れている方の陰嚢を手のひらで持ち上げてみて、痛みが増大するのが精索捻転です。精巣上体炎では逆に痛みが軽減します。

 いずれもキンタマの痛みは放置しないことです。

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