有効性9割超「mRNAワクチン」はどこまで期待していいのか

公開日: 更新日:

■ウイルスの「スパイクタンパク質」だけを作る

 今回のワクチンが画期的とされるのは「メッセンジャーRNA」(mRNA)を使ったところにあるという。ヒトの体内に侵入したウイルスが増殖するには、細胞にくっついて内部まで入り込む必要がある。そのために、ウイルスは自身の表面にある突起状の「スパイクタンパク質」を鍵として使い、鍵穴にあたるヒトの細胞膜上の「ACE2受容体」に結合させる。

「今回のワクチンは、新型コロナウイルスがスパイクタンパク質を作るための遺伝情報が書き込まれたmRNAを封入した粒子を使っています。体内に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質だけを作りだし、ウイルスに対する抗体を産生させる仕組みです。これまでのさまざまな感染症に対するワクチンは、活性を弱めたり毒素を失わせたウイルス=病原体が使われていました。そのため、ワクチン接種によって感染してしまうリスクがゼロではありませんでした。しかし、今回のmRNAワクチンはウイルスそのものを使わないのでそうしたリスクはありません。また、mRNAは役割を終えると分解されて体内に残らないため、副作用の不安も小さいといえます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」