重症化を防ぐ 新型コロナの治療に「抗生剤」が有効な可能性

公開日: 更新日:

「IgAは、特定のウイルスや細菌だけに反応するのではなく、多くのウイルスや細菌に反応します。ヒトの免疫機能のフロントラインに位置しているといえる物質で、クラリスロマイシンはその産生を促す作用があるのです」

■宿主プロテアーゼの活性を阻害する

 新型コロナウイルスがヒトの細胞に侵入するとき、自身の表面にあるスパイクタンパク質(Sタンパク質)という突起を鍵として使う。鍵穴に当たるのがヒトの細胞膜上にある「ACE2受容体」で、自身の鍵を細胞側の鍵穴に合わせて吸着する。さらに細胞内に侵入する際は、宿主側のプロテアーゼというタンパク分解酵素を利用している。活性化した宿主プロテアーゼによって、標的となる細胞の受容体に結合したSタンパク質が切断されると、ウイルスと細胞の膜との融合が誘導され、ウイルスが細胞内に侵入し感染が成立する。

「海外の研究では、クラリスロマイシンが宿主プロテアーゼの活性部位に結合し、プロテアーゼの活性を阻害してウイルスの増殖を防ぐ可能性が指摘されています。とりわけ、新型インフルエンザ治療薬のアビガンや吸入ステロイド薬のシクレソニドとの併用や、抗マラリア薬のクロロキンとの併用で大きな治療効果があったと、国内外で症例報告があります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃