心臓病を検出するAIの開発 日本のメーカーは様子見の傾向

公開日: 更新日:

 また、AIに学習させる医療データ(個人情報)の扱いが厳しいことも、開発のしにくさの要因だ。その辺は米国と日本で何か違いはあるのか。

「日本と大きく違うのは、米国では『この項目を満たせば研究にデータを使ってもいい』という基準が明確なため、電子カルテのデータを使った研究を進めやすい点です。日本は規制が厳しいというよりも基準があいまいなため、研究者がどこをどこまでやれるのか分かりにくいのです」

 そのようなことからも日本の医療機器メーカーは、まだ“様子見”の傾向が強いという。それに比べて米国FDA(食品医薬品局)は、かなりハイペースで医療AIを認可している。現状では、欧米で先に臨床応用が進みやすいように思える。

 また、医療AIは「なぜその答えが出たのか分からない」という「ブラックボックス」を懸念する声がある。しかし、薬剤の治験(偽薬との比較)でも作用メカニズムの解明までは必ずしも求められていない。ランダムに振り分けた集団で比較して差があれば、承認・使用される。したがって、日本でも“医療の補助技術”として少しずつ受け入れられていくのではないかという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?