著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

コロナ禍では検診の“先の検査”も大幅に減っている心配がある

公開日: 更新日:

 ある日、自営業のKさん(54歳・男性)は市の検診で「要精査」とされ、その用紙を持参して来院されました。Kさんのカルテファイルにはその用紙が挟んであり、それが2枚ありました。今年の日付のものには「胸部X線で異常影があり要精査」と、昨年の日付のものには「胸部要精査」と書き込まれていました。

 私はKさんを診察室に呼び、「去年は病院を受診されなかったのですか?」と尋ねました。するとKさんは、マスク越しに「ええ、すみません。仕事が忙しくて放っておいてしまいました」と申し訳なさそうに言われます。Kさんは気にされていたようで、保管していた昨年の用紙も持参したのでした。

 急いで採血と胸部X線検査を指示し、さらにCT室に電話をして緊急の胸部CT検査をお願いしました。KさんにはCT検査前の説明をして了解を得た後、「1時間後くらいに結果が出たら、またお呼びします」と伝え、検査に臨んでもらいました。

 しばらくして、電子カルテでKさんの胸部X線写真を見ると、全体にはきれいな肺ではありません。胸部CT画像では、右肺上葉に径約1センチの丸い陰影が認められました。さらに採血結果では、肝機能はまずまず正常の上限、血糖値は120㎎/デシリットル、HbA1Cは6.2%と高値でしたが、糖尿病の緊急の治療は必要ないと判断しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か