アナウンサーの濱中博久さん 心筋梗塞の手術から回復まで

公開日: 更新日:

 ただ、その時点では緊迫性はなく、処方されたのは発作時に使うニトログリセリン舌下錠でした。舌裏には太い静脈があり、ニトロはそこから吸収されて冠動脈が急速に広がって楽になるのです。狭心症の人にとってはごく普通の薬で、私もそれを持ち歩くようになりました。

 そのとき、医師から「年齢から考えて、いずれステント(血管を広げる網目状の筒)を入れる手術をした方がいいね」との話がありました。私はあまり乗り気ではなかったのですが、とりあえず心臓専門病院へ行って「来年の2月ぐらいにもう一度相談しましょうか」と、ざっくり話をしました。

 ところが、その年末から狭心症の症状がまったく出なくなったのです。「治ったんじゃない?」と思いました。相談していた先生にも「手術はしなくていいのでは?」と話してみました。すると、こう返されたのです。

「症状が出なくなる人はときどきいます。でも冠動脈の狭窄が自然治癒することはあり得ません。濱中さんの血管の状態は全体的に悪い。現状は、血管が詰まることを遅らせているだけで、良い方向に向かっているわけではない。服薬だけで案外長く無事に過ごせる可能性もあります。しかし、徐々に悪化することは間違いないし、次に私のところに来るときは、救急車かもしれないですよ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」