著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

学校生活におけるマスク着用は義務付けるべきか 米誌で論文

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスワクチンの接種率が低い若年層では、学校生活における集団感染のリスクに配慮する必要があります。文部科学省が公表している「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」によれば、集団感染リスクへの対応として、身体的な距離が十分に確保できない場合にマスクの着用が推奨されています。

 そのような中、米疾病対策センター(CDC)が発行している2021年10月1日付の疫学週報に、学校生活におけるマスク着用と、新型コロナウイルスの感染リスクに関する研究論文が掲載されました。

 この研究では米国アリゾナ州にある幼稚園から高校の999校が対象となりました。これらの学校では、2021年7月下旬から8月上旬にかけて対面授業を順次開始しましたが、マスク着用に関する義務付けは学校ごとに異なっていました。この対応の違いを利用して、マスク着用を義務付けた学校と、義務付けていない学校を比較し、学校生活に関連した集団感染の発生件数が比較されています。

 解析の結果、新型コロナウイルスの集団感染は、マスクの着用を早期に義務付けた学校と比較して、マスク着用を義務付けていない学校で3.5倍、統計学的にも有意に多いことが示されました。疫学週報では、学校生活における新型コロナウイルスの感染予防において、対象となるすべての生徒、および教職員へのワクチン接種やその他の感染予防策に加え、マスクの着用が不可欠であると結論しています。

 熱中症などのリスクを考えれば、あらゆる状況でマスクの着用が推奨されるわけではないと思います。とはいえ、マスクを着用できない状況においても、身体的距離を保つなどの配慮が必要でしょう。

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